団塊世代の後期高齢化を迎え、全国的に死亡者数が過去最多を更新している近年。深刻化する「火葬待ち」問題は、多くの人の心を悩ませています。
特に都市部では火葬場不足が顕著で、遺体を自宅に安置せざるを得ないケースも増えています。
本記事では、火葬待ち問題の現状と課題、そして解決への道について、詳しく解説していきます。
火葬待ち問題の現状
厚生労働省の調査によると、全国の3割超の葬儀業者などが遺体を安置する施設が不足し、受け入れられない事態が発生していることがわかりました。
この問題は、都市部を中心に深刻化しており、東京23区内の火葬場利用率は90%を超えているとされています。
火葬待ちの理由は、主に以下の2つが挙げられます。
- 死亡者数の増加:団塊世代が後期高齢期に入り、死亡者数が過去最多を更新している。
- 都市部の火葬場不足:都市部では火葬場の数が足りておらず、特に民営の火葬場が不足している。
葬祭業者の声
火葬待ち問題について、葬祭業者の声も聞いてみましょう。
- 「一部の都市部だけの話で、全国的な問題ではない。」
- 「地域によって様々な事情がある。友引で火葬場が休んでいたり、家族葬化が進んでいること、家に安置しにくい作りや状況であること、老人ホームが増えたことなどが考えられる。」
- 「業者の規模にもよるけれど、どうにか御安置したり対応は頑張ればできると思う。」
- 「深刻的な問題でもないでしょうし、しばらくは死亡者数の増える世代なために各事業所が一部屋二部屋増やせば解決できると思います。」
これらの声からも、火葬待ち問題は全国的な問題ではないことが伺えます。
しかし、都市部を中心に問題が深刻化していることは事実であり、早急な対策が必要です。
火葬待ち問題の課題
火葬待ち問題には、以下の課題があります。
- 遺族の負担増加: 自宅に遺体を安置する場合、遺族は暑い時期などは衛生面や臭気対策に苦慮する可能性があります。また、精神的負担も大きくなります。
- 尊厳の喪失: 適切な安置場所がないために、遺体を段ボール箱に入れて保管せざるを得ないケースも出ています。これは、死者の尊厳を傷つける行為と言えます。
- さらなる逼迫: 今後も死者数は増加していくと予測されており、安置施設不足はさらに深刻化する可能性があります。
解決への道
火葬待ち問題を解決するためには、以下の対策が考えられます。
- 都市部における火葬場の新設・増設: 都市部における火葬場不足を解消するためには、公設民営の火葬場を新設・増設することが必要です。
- 葬儀の簡素化: 家族葬や直葬など、従来型の葬儀よりも短い時間で火葬を行う葬儀が増えている。
- 国民の意識改革: 友引などの風習にとらわれず、火葬の日程を柔軟に選択することが重要です。
- 民間事業者の参入: 民間事業者の参入を促進することで、火葬場の整備を加速化することができます。
- 行政支援: 火葬場の新設・増設や、民間事業者の参入を促進するための行政支援が必要です。
まとめ
火葬待ち問題は、都市部を中心に深刻化しているものの、全国的な問題ではありません。
解決には、行政と民間が協力して火葬場の新設・増設を進め、葬儀の多様化に対応していくことが必要です。
また、国民一人ひとりが、火葬の日程を柔軟に選択するなど、意識改革を進めていくことも重要です。
本記事が、火葬待ち問題への理解を深め、解決への道筋を見つけるきっかけとなれば幸いです。
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